山口県鴻城高校演劇部 インタビュー

裏レポ!

「裏レポ!」では、公演を控えている団体に事前に取材し、その魅力をフォーカスして紹介。本番を見るだけでは伝わらないその裏の物語や作品制作への想いを、まずは私たちが知りたい!そして団体・人にまつわるストーリーを介して多くの方に興味を持ってもらえるような記事を掲載します。

今回は2025年10月初旬に文化祭、そして10月下旬に県大会を控えている山口県鴻城高校演劇部さんにインタビューをしてきました。


山口県鴻城高校 演劇部

部員9名で活動。男女バランスよく在籍している。「台本を読み込み丁寧につくる」と定評のある鴻城高校は、地区大会を突破し、県大会にはここ数年連続出場中。年間は地区大会、文化祭、(あがれば県大会)、3年生を送る会の活動など。(2025.10時点)


はじめに顧問の白石先生に部のことを、お聞きしました!

――台本はどうやって選ぶんでしょうか。

白石先生:鴻城では、台本を書かずに選ぶところからスタートします。ネットや演劇雑誌で既成台本を探して、各々が持ち寄り、どの台本にするかみんなで選びます。鴻城は比較的、男子部員が多いこともあり、男子の多い台本で、なおかつ自分たちに合った台本を探すのが難しいです。

――なるほど、高校演劇は女子が多いイメージもありますね。

白石先生:そうなんです。なので、男子が多いのはとてもうれしいのですが、そういった面では、毎回苦労しているところです。

――県鴻城高校らしさ、というのはどういうところがあると思われますか。

白石先生:講評では「すごく丁寧につくっている」「既成台本を自分たちのものにしているね」と言っていただけることが多いです。

練習でも、本当にみんなでつくっている、という感じがしてすごいなーといつも思います。

演出が部員全員という感じで。自分たちで台本をかみ砕きながら、話し合ってつくりあげています。

外部指導員の方には、週1回来てもらい、そういうところでアドバイスをいただくことも大事なのですが、例えば、通しの映像を撮って、ドライブにアップしてお客さんからどう見えているのか客観的に部員全員が見ることができたりする工夫も部員が自主的にやっています。それにOB・OGの方からのアドバイスもあわせて、ブラッシュアップしていく感じです。

自分の出番のないシーンでは、役者も裏方も一緒にシーンを演出するために、真剣にチェック。シーンが終わるとすかさずみんな集まって、フィードバックがはじまる。


――顧問の先生から見て、今の演劇部のみなさんはどうですか。

白石先生:とてもまじめだな、素直でいいなーと思います。いろんなことを吸収するし、意見も役者や裏方、学年関係なく出しあっている感じもいいですね。もっと遊んでもいいとも思うくらい(笑) 今の演劇部は、和気あいあいとしていて、バランスがいい感じがします。

――部室を見せていただきました!体育館のそでにある怪しげな扉……。(演劇部あるある)

階段をあがると、体育館舞台の屋根裏のようなところにお部屋が!最高の秘密基地!


今回はこの部室で、3年生の山田さん、2年生の宗実さんにお話をお聞きしました。ふわっとした雰囲気の山田さんと、しっかりタイプの宗実さんのかけあいも面白かったです!


――今回の作品「戦国SNS時代」について教えてください。

山田さん:現実とネット社会の違いが見える話で、その裏表が、ネット社会で人間の裏側みたいなのが見え隠れする、というところが面白いと思います。うまく言えない……

宗実さん:さっきずっと考えてたのに。(笑)

山田さん:そうなんよ、練習したのに。(笑)台本は、現実とネット社会が混在しているような話です。

宗実さん:台本は僕が選んで持ってきたんです。戦国時代にSNSがあったら、という設定なんですが、どの時代でもSNSがあったら、今と同じように人間は裏をかいたり、人間関係にすごく影響を与えてからんでくる……というところが、おもしろいです。

――高校演劇でも、SNSを題材にした演劇はありますよね、闇バイトとか。みなさんを取り巻いている環境や時代が上演作品に見えるのも、高校演劇の特徴ですよね。


――なぜお二人は、演劇部に入ったんですか?それぞれお聞きしたいです。

宗実さん:高校に入ったときは、特に入りたい部活は決めていなかったんですが、体験入部の期間に、演劇部があるのを知って。過去の上演の映像作品を見せてもらったり、演劇の体験をしたりしていくなかで、自分が人と何かをつくっていくっていう作業がとても好きなので、僕もそのつくる一員になれたらな、やってみたいな、と思って入りました。

山田さん:僕は、そもそも演劇とか、俳優に興味があって、将来に向けての練習というか、そういうものに入りたかったからです。部活動は勉強の一環という面もあるかとは思うんですが、個人的には自分にとって学校生活のなかでのリフレッシュになればな、と思って演劇部に入りました。

――リフレッシュ、なってますか?(顧問の白石先生も聞いている)

山田さん:なってます(笑)しっかり、なってます!おかげさまで!

白石先生:よかったです!(笑)


――演劇のいいところや好きなところを教えてください。

山田さん:特に役者をやっていると、体験できないものとか、現実に無いものとか、自分ではない「別になる」というのが、面白いです。いろんな人や性格を自分の中で切り替えていく作業というのがそういうのが楽しくて、あとは、その世界観に没頭できる、というのがすごく好きです。

演劇という全体で言えば、みんなからアドバイスをもらえるっているのがすごく嬉しくて、一人で作り上げるってだけじゃなくてみんなが支えてくれる、「ほがらかした」空間が、すごく楽しいです。

白石先生:「ほがらかした」って?

山田さん:いやあそういう雰囲気ですよ、わかりません? そこがいいところだったり、楽しかったりします。

宗実さん:今もあった話ですけど、普通に生きてたらやらないことだったり、そういう人を演じたりすることも多いので、いろんな人(登場人物)の考え方って自分にはない考え方だったりするので、そういうのを取り入れたりするのが面白いですね。

それから、やっぱり演劇は一人では作れないので、ほかの人の考えだったり、音響・照明の裏方さんとも意見を交換して、協力して作っていくことに達成感がありますね。それができたときは、すごく安心しますし。


――最後にひとことおねがいします!

山田さん:俺もう変なこと言えないわ。たくすわ。

宗実さん:えー。(笑)今年の台本もおもしろくて、(戦国×SNSという)普通じゃないところから入っていくんですけど、(現代の)自分たちに近しいところとかがあって、考えさせられるところもあるんじゃないかなと思っています。そこがおもしろいので、ぜひ見てもらえたら!

山口県鴻城高校演劇部のみなさん、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!


県鴻城高校のみなさんは下記日程▼で県大会に出場されます。ぜひ高校生の熱き秋!芸術の秋!生で見てほしいです。

えんげき屋 山口店

山口の旬の演劇を売り出すべく「えんげき」を商品にみたて、公演情報を収集し、応援。地域・県内外のみなさまに発信。愛されるおみせを目指してゆるゆると、そして突発的に活動していきます。

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